発表論文

Mid-term dynamic effects of carbon tax based on the imputed price of carbon

炭素の帰属価格に基づく炭素税の中期的動学効果に関する分析

Matsumoto K., Masui T.

本論文では、動学的応用一般均衡モデルを用い、「炭素の帰属価格に基づく炭素税(ICT)」による環境・経済への中期的影響を国際共通炭素税(CCT)と比較した。ICTは各国の経済レベルに応じた税率を賦課する国際炭素税である。分析より、両税には経済公平性とCO2削減効果にトレードオフが見られるが、全世界によるCO2排出削減政策の導入と途上国に対する過度な経済的負担の回避の重要性を踏まえると、CCTに比べてICTの方が政策的実効性の高い炭素税政策と結論づけられた。

炭素の帰属価格:大気中のCO2が限界的に1単位増加したときの社会的効用の減少を推計し、その価値を評価したもの

Matsumoto K., Masui T. (2009) Mid-term dynamic effects of carbon tax based on the imputed price of carbon. 環境科学会誌, 22(6), 391-400