発表論文

National implications of a 50% global reduction of greenhouse gases, and its feasibility in Japan
温室効果ガス排出量世界半減における国別目標値の検討と日本での削減可能性に関する研究
松岡譲, 藤野純一, 甲斐沼美紀子

2007年に行われたG8ハイリゲンダムサミットでは世界の温室効果ガス排出量を現状から半減することを真剣に検討することが提言された。一方で、2007年に公表されたIPCC第4次評価報告書では、世界平均気温の上昇限度を現状から2~3℃と示唆しているが、この報告は2050年排出量半減の目標と整合しているのか、また、世界排出量の半減を前提としたとき、世界各国およびわが国に要請される削減率はどれだけか、日本で大幅削減が可能かどうか検討した。その結果、IPCC第4次評価報告書で示された最新の科学的知見に基づいた分析によれば、66%以上の確率で、2050年の温室効果ガス排出量を1990年比で50%削減すると、現状からの温度上昇を2~3℃以下に抑制できることがわかった。そして、2050 年半減を各国に割り当てると、割り当て方式によって異なるが、日本では1990年比で35%から91%の削減が求められることがわかった。

Matsuoka, Y., Fujino, J., Kainuma, M. (2008) National implications of a 50% global reduction of greenhouse gases, and its feasibility in Japan. Sustain. Sci., 3:135-143, DOI 10.1007/s11625-008-0046-0.