発表論文

Methyl chloride and isoprene emissions from tropical rain forest in Southeast Asia
東南アジア熱帯林からの塩化メチルとイソプレンの放出
斉藤拓也, 横内陽子, 小杉緑子, 谷誠, Philip E., 奥田敏統

自然起源の成層圏オゾン破壊物質である塩化メチルを熱帯林(マレーシア・パソ森林保護区)において初めて観測し、熱帯林生態系全体からの塩化メチル放出量を明らかにした。得られた放出量を用いてグローバルな熱帯林からの塩化メチル放出量を推定したところ、熱帯林は塩化メチルの全放出量の約3割を占める主要な発生源であることが示された。また、代表的な植物起源の揮発性有機化合物であるイソプレンのパソ森林保護区からの放出量は、南米やアフリカの熱帯林からの放出量と同程度であることがわかった。

Saito T., Yokouchi,Y., Kosugi Y., Tani M., Philip E., Okuda T. (2008) Methyl chloride and isoprene emissions from tropical rain forest in Southeast Asia. Geophys. Res. Lett., 35, L19812, doi:10.1029/2008GL035241.