発表論文

炭素クレジットが土地利用に与える影響の予測
木下嗣基, 山形与志樹, 岩男弘毅

温暖化対策として、温室効果ガスの排出抑制に対してインセンティブを与える炭素クレジットの導入が土地利用変化に与える影響を、数値モデルを用いて評価した。このモデルは、メッシュで得られた農林業の生産性や、全球の土地被覆マップを利用して、空間的に詳細な土地利用の変化を予測するモデルである。このモデルにより、アフリカの土地利用変化の不確実性が高いことが示された。また、炭素クレジットを導入した場合、森林から農地への転換が減少することが示された。さらに、炭素クレジットが今後上昇していく場合は、森林から農地への転換が抑制されるだけでなく、育成林の管理が放棄される可能性があることが示された。

木下嗣基, 山形与志樹, 岩男弘毅 (2008) 炭素クレジットが土地利用に与える影響の予測. 環境科学会誌, 21(1).