多数の大循環モデルの出力を用いて将来気候予測の不確実性を包括的に考慮し、近未来までの気候変化がアジア域の水稲生産量に及ぼす影響およびその適応策の効果を、リスク評価の手法を用いて定量的に評価した。まず、植え付け日・品種の変更により、アジア域において生産量減少のリスクを87%程度軽減できることが示された。一方、灌漑水田への転換はインドやパキスタンなどの乾燥した国において、大きなリスク軽減効果があることがわかった。これらの結果は適応策の実施を検討する際の有用な情報になると考えられる。