発表論文

日本におけるサンゴ礁の分布
山野博哉

日本列島は造礁サンゴとサンゴ礁の分布の北限域に位置し、造礁サンゴの群集構造とサンゴ礁地形が緯度方向に変化するとともに、一つの島内でのサンゴ礁分布や発達様式の差異が同時に観察され、造礁サンゴの群集構造やサンゴ礁の形成と環境要因とを関連づける上で日本という地域は最適の条件を備えているといえる。こうした日本の特徴を活用して、 造礁サンゴの群集構成やサンゴ礁の形成と環境要因の関係を明らかにすることは、サンゴ礁の成立という基本的な問いに対する答えを与えてくれるだけでなく、地球温暖化の影響やサンゴ礁の保全といった今日的な課題に向けても応用できるものである。

山野博哉 (2008) 日本におけるサンゴ礁の分布. 沿岸海洋研究, 46, 3-9