2030年のCO2削減目標達成に向けたわが国の電力部門における排出シナリオを、多地域最適電源計画モデルを用いた定量評価に基づき検討した。解析結果によれば、電力部門のCO2排出量削減に各地域の電力会社が果たす役割はそれぞれ異なり、はじめに東京、中部、関西の3電力会社が削減対策を実施し、それでも達成できないくらいの削減目標が課された場合には、北海道、東北、北陸、中国、四国、九州、沖縄の7電力会社が削減対策を実施することが明らかになった。