発表論文

Atoll island vulnerability to flooding and inundation revealed by historical reconstruction: Fongafale Islet, Funafuti Atoll, Tuvalu
土地利用と社会経済状況に関する歴史の再構築により明らかとなったツバル国、フナフチ環礁フォンガファレ島の洪水・浸水に対する脆弱性
山野博哉, 茅根創, 山口徹, 桑原祐史, 横木裕宗, 島崎彦人, 近森正

最近、ツバルにおいて、高潮位時に島の中央部に洪水が起こり、環礁州島の海面上昇に対する脆弱性が顕在化していることが指摘されている。本研究では、108年間に渡る土地利用、地形、人口、建物の分布の変化を解析し、現在の脆弱性をもたらしている原因が、島中央部がもともと浸水しやすい湿地であったことと、人口の増大により元湿地へ居住地が拡大したことにあることを明らかにした。この結果は、地球規模の環境問題が地域規模の問題と深く関わっていることを示し、脆弱性を理解するために地域の土地利用と社会経済状況に関する歴史の再構築が必要であることを示すものである。

Yamano, H., Kayanne, H., Yamaguchi, T., Kuwahara, Y., Yokoki, H., Shimazaki, H., Chikamori, M. (2007) Atoll island vulnerability to flooding and inundation revealed by historical reconstruction: Fongafale Islet, Funafuti Atoll, Tuvalu. Global and Planetary Change, 57, 407-416.