発表論文

Parameterization of aerosol and cirrus cloud effects on reflected sunlight spectra measured from space: application of the equivalence theorem
衛星観測による太陽の地表面散乱光スペクトルに影響を及ぼすエアロゾルと巻雲のパラメータ化:等価定理の応用
Bril, A., Oshchepkov, S., 横田達也, 井上元

大気中のエアロゾルや巻雲が太陽の地表面散乱光に及ぼす影響を推定する手法を開発した。本手法は、光の光路長確率密度関数(PPDF)のパラメータ化を利用した等価定理に基づいており、衛星からの温室効果ガス観測データの導出に適用が可能である。エアロゾル層や巻雲を含む鉛直方向に不均一な大気に対するパラメータの検証には、モンテカルロ法によるシミュレーションを用いた。初期近似結果では、PPDFは4つのパラメータに依存していることが明らかとなり、それらは実効的な雲の高度、雲の相対反射率、そして雲より下部での光路長分布を説明する2つのパラメータであると解釈することができる。酸素Aバンドと二酸化炭素の2.0µm帯における水蒸気吸収飽和領域とを用いて、衛星の直下視観測データからこれらのパラメータが効果的に導出されることを例示した。

Bril, A., Oshchepkov, S., Yokota, T., Inoue, G. (2007) Parameterization of aerosol and cirrus cloud effects on reflected sunlight spectra measured from space: application of the equivalence theorem. Appl. Optics, 46, 3, 2460-2470.