発表論文

The use of multi-temporal satellite images to estimate intertidal reef-flat topography
多時期の衛星画像を利用した潮間帯のサンゴ礁礁原地形の推定
山野博哉

潮間帯*1の地形を推定することは、海岸域の生物分布や物理環境を把握する上で重要 である。さまざまな潮位の条件の衛星画像を用いて汀線を抽出し、汀線を等深線とみなすことにより、潮間帯の地形を推定できることが期待される。本研究では、潮位差の大きいオーストラリアのサンゴ礁を対象として、多時期のTerra ASTER*2画像から抽出された汀線位置と現地で測定した標高を比較した結果、多時期の衛星画像によって潮間帯のサンゴ礁礁原地形の推定が可能であることを示した。

*1潮間帯:満潮線と干潮線の間に位置する地帯。サンゴ礁においては、潮間帯の礁原に分布する生物の遺骸片が運搬されて州島を形成している。
*2 Terra ASTER:日本が開発した衛星センサー。サンゴ礁においては、近赤外の波長帯の画像を用いることにより汀線が最も精度良く抽出できる。

Yamano, H. (2007) The use of multi-temporal satellite images to estimate intertidal reef-flat topography. Journal of Spatial Science, 52, 71-77.