発表論文

Evaluation of the use of soil depth and parent material data when predicting soil organic carbon concentration from LOI values
土壌層位や土壌母材が強熱減量を用いた土壌有機炭素含有率推定の精度に与える影響
レオン愛, Cresser, M., Gonzalez, R.

地球温暖化現象を理解する上で、温室効果ガスである二酸化炭素を土壌が放出又は蓄積しているかどうかを知るために、土壌中に含まれる炭素量を把握することは重要課題である。しかし、実際には土壌の有機炭素含有率データが不足しているため、土壌中に蓄積された炭素量の推定が困難である。本論文は、この問題を克服するため、土壌の有機炭素含有率を強熱減量(loss-on-ignition)*1から推定する際に、土壌層位や土壌母材を考慮することで推定の精度がどれだけ改善されるか評価用データを用いて調べた。その結果、これらの要因を考慮にいれても有機炭素濃度推定の精度は1.8%上がるだけであることが分かった。

*1 強熱減量:乾燥させた試料を高温で熱したときに揮散する物質の割合をいい、土壌中の有機物量の目安として使われる。

Leon, A., Cresser, M., Gonzalez, R. (2007) Evaluation of the use of soil depth and parent material data when predicting soil organic carbon concentration from LOI values. Geoderma, 140, 1-2, 132-139.