発表論文

Utility of spectral vegetation index for estimation of gross CO2 flux under varied sky conditions
異なる天候条件下におけるCO2フラックス推定のための分光植生指標の有効性
中路達郎, 井手玲子, 小熊宏之, 三枝信子, 藤沼康実

苫小牧の落葉針葉樹林において、CO2吸収量の推定モデルパラメータである光吸収効率(FAPAR)および光利用効率(ε )と、リモートセンシングで得られる3種類の植生指標(NDVI、EVI、PRI)の関係を詳細に調査し、天候条件や解析時間スケールの影響について考察した。NDVIやEVIは葉量や光合成色素量、PRIは光合成の光応答に関連した指標である。FAPARとNDVIの関係は天候の影響を受けず安定していること、ε は季節や天候によって変動するがEVIとPRIを併用した新指標により推定できることが明らかになった。本研究の結果は、複数のリモートセンシング指標を組み合わせることで、森林のCO2フラックスの時間変動を推定できることを示している。

Nakaji, T., Ide, R., Oguma, H., Saigusa, N., Fujinuma, Y. (2007) Utility of spectral vegetation index for estimation of gross CO2 flux under varied sky conditions. Remote Sens. Environ., 109, 274-289.