発表論文

Basin-scale pCO2 distribution using satellite sea surface temperature, Chl a, and climatological salinity in the North Pacific in spring and summer
海面水温、クロロフィルa濃度の衛星観測値と海面塩分の気候値による北太平洋域春季・夏季のCO2分圧分布推定
Sarma, V.V.S.S., 才野敏郎, 笹岡晃征, 野尻幸宏, 小埜恒夫, 石井雅男, 井上久幸, 松本和彦

北太平洋のCO2分圧(pCO2)を、衛星観測で得られる表面水温・クロロフィルa濃度と表面塩分の気候値から推定し、その海域分布を算出する経験的手法を示す。この手法では、これらのパラメータの多重回帰式から表層混合層の全炭酸濃度を算出するとともに、アルカリ度を塩分気候値から直線回帰で推定する。表面水温と全炭酸の関係について、温度領域によって異なる関係式を得た。これらを元にpCO2を解離定数から算出した結果、船上観測と比較して17-23μatm以内の誤差で、pCO2が推定できた。衛星観測のような広域データが、船上観測によるpCO2観測結果を海盆スケールに拡大するために有益であることを明らかした。

Sarma, V.V.S.S., Saino, T., Sasaoka, K., Nojiri, Y., Ono, T., Ishii, M., Inoue, H.Y., Matsumoto, K. (2006) Basin-scale pCO2 distribution using satellite sea surface temperature, Chl a, and climatological salinity in the North Pacific in spring and summer. Global Biogeochemical Cycles, 20, GB3005, doi10.1029/2005GB002594.