国立環境研究所オゾンライダーシステムによる測定データ処理を目的として、オゾン、エアロゾル、気温同時算出アルゴリズム（version 2)を開発した。Version 2アルゴリズムでは、エアロゾル層の上限高度の決定及び、消散／後方散乱比推定のための新たな手法の導入によって、オゾン鉛直分布算出の際のエアロゾルに関する補正をより正確なものにすることが出来た。さらに、信号誘起雑音やdead-timeなどの、信号に現れる系統誤差の補正手法についても改善した。オゾンライダーによって得られたオゾン鉛直分布を、衛星センサーSAGEⅡによって得られたものと比較した。両者は、高度20～40kmでは5%以内、40～45kmでは10%の差で一致した。また、本ライダーで得られた気温鉛直分布は、35～50kmの範囲でNCEPデータと7K以内で一致した。