発表論文

屋上セダム緑化面の熱収支特性に関する実測評価
平野勇二郎, 一ノ瀬俊明

ヒートアイランド緩和策として屋上緑化が注目されており、近年は行政による導入施策も始められている。本研究は屋上緑化による暑熱環境の緩和効果を明らかにするための基礎研究として、大規模な屋上セダム(セダム:小型の多肉植物の総称)緑化が導入された実建築において、屋上面熱収支と熱収支に関する各種パラメータの観測を行った。この結果、概算値としてアルベドは0.153、射出率は0.995、日中の蒸発効率は0.21を得た。この条件で日中のピーク時では、潜熱フラックスは300~400W/m2、顕熱フラックスは約200 W/m2であり、顕熱フラックスのセダムによる抑制効果が生じていることが示された。

平野勇二郎, 一ノ瀬俊明 (2006) 屋上セダム緑化面の熱収支特性に関する実測評価. 環境工学研究論文集, 43, 661-672.