本論文では、法的、経済的、政策プロセスの各側面からの環境問題間の相互連関の研究動向を概観した後、気候変動対処のための国際制度と、オゾン層、生物多様性(吸収源関連)、自由貿易の各問題領域に関する国際制度との相互連関に関する各事例のレビューを行った。これらから、問題ごとの対処という形をとってきた地球環境問題に関するこれまでの政策は、様々な矛盾を生じさせ、潜在的な相乗効果を発揮させておらず、また、関連研究は、相互連関を取り入れた政策体系のあり方を導出するには至っていないことを示した。