2019年4月号 [Vol.30 No.1] 通巻第340号 201904_340003

平成30年度スーパーコンピュータ利用研究報告会を開催しました

  • 地球環境研究センター 研究支援係

地球環境研究センター(以下、センター)は、平成30年12月26日(水)に国立環境研究所(以下、研究所)地球温暖化研究棟交流会議室で平成30年度スーパーコンピュータ利用研究報告会(以下、報告会)を開催した。研究所では、将来の気候変動予測や炭素循環モデル等の研究開発、膨大なデータを扱う衛星データ解析、その他の基礎研究などを支援する目的で、スーパーコンピュータ(以下、スパコン)を所内に整備・運用し、所内外の環境研究者に計算資源を提供し、スパコンがなければ実現できない研究成果を生み出してきた。

研究所では、スパコンの利用・運用方針などを審議する「スーパーコンピュータ研究利用専門委員会」(以下、専門委員会)を設置し、所内外のスパコン利用希望ユーザーから申請された研究課題について、専門委員会の意見を踏まえ、スパコン研究利用の可否を判定している。利用が認められたユーザーには、年に一度の報告会(当報告会)で報告が求められる。

報告は、毎年、所内及び所外利用の課題代表者(またはその代理)によって行われる。今回は、所内課題6、所外課題4、合計10課題について最新の研究成果が報告された。成果報告に対する質問やコメントも活発で、今後の展望に関する議論なども行われ、研究におけるスパコンの重要性が確認された。

報告された研究内容は、温暖化予測モデルの気候感度の外部因子依存性やその時間変化、東アジア域の過去の大気汚染対策効果のシミュレーションやエアロゾルの将来予測、オゾン層将来予測モデルの開発とオゾン量の温室効果ガス濃度依存性の解析、全球スケールの陸域モデルの開発と将来予測実験、沿岸海洋長期環境予測モデルを用いた瀬戸内海域の水温や塩分のシミュレーション、温室効果ガス観測技術衛星GOSATおよびGOSAT-2衛星による二酸化炭素やエアロゾル量の解析のためのシミュレーション、NICAMモデルと衛星観測データによる雲降水システムの研究、等々多岐にわたった。例年と同様に、専門委員会委員および参加者からの活発な質疑応答があり、さまざまな立場からの貴重な意見により、スパコン利用をさらに発展させ、環境研究を進める機会とすることができた。

当日報告された内容の詳細については、センターのウェブサイト(http://www.cger.nies.go.jp/ja/activities/supporting/supercomputer/index.html)を参照されたい。上記サイトには、過去の報告会における発表内容に関する情報が掲載されている(平成30年度分も近日中に掲載予定。ただし、発表者の意向により一部掲載されない情報もある)。

各課題の研究成果について、参加者と報告者の間で活発な質疑応答が行われた

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地球環境研究センター ニュース編集局
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