2017年8月号 [Vol.28 No.5] 通巻第320号 201708_320008

衛星観測センターがJpGU-AGUに出展

  • 衛星観測センター 広報グループ

2017年5月20日(土)〜25日(木)に、国立環境研究所(以下:国環研)衛星観測センターは幕張メッセ(千葉市)で開催された「JpGU-AGU Joint Meeting 2017」において6日間にわたり、展示を行いました。ご来場頂きました皆様方に厚く御礼申し上げます。

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写真1JpGU-AGU展示会場

2016年4月に設立された国環研衛星観測センターは、「衛星観測に関する研究事業」の実施主体としてGOSAT/GOSAT-2プロジェクトを推進すると同時に、将来のGOSAT-3プロジェクトなどの検討を進めています。2017年度の日本地球惑星科学連合(JpGU)大会はアメリカ地球物理学連合大会(AGU)との初めての共同主催という形で開催されましたが、この機会に国環研衛星観測センターとして初めて本大会にて展示を行いました。展示ブースは主に衛星観測センター広報グループの広兼・石澤・Pangが担当しましたが、本大会にて研究発表を行った国環研の研究者もGOSAT/GOSAT-2に関する観測成果及び最新状況などを紹介しました。さらに今回は環境省で衛星を担当している方にもお越しいただき、研究サイドとの意見交換をしていただきました。

今回の主な展示コンテンツは以下の通りです。

  • GOSAT/GOSAT-2プロジェクトの概要
  • 2009年4月から2017年2月の全大気平均二酸化炭素濃度
  • 大都市などからの人為起源二酸化炭素濃度の推定結果
  • 全球二酸化炭素濃度分布データ
  • クロロフィル蛍光に関する研究紹介

また日米の研究者がアメリカのネバダ州レールロードバレーで行った観測実験[注]の様子も紹介しました。さらに展示ブースには直径60センチの小型ダジックアース(地球や惑星についての科学を楽しんでもらうために、学校や科学館や家庭で、地球や惑星を立体的に表示する球形のスクリーン)及び大型ディスプレイを設置し、2009年6月から2012年6月までの全球二酸化炭素濃度分布のシミュレーション画像(GOSATレベル4Bプロダクト)の上映を行いました。アンケート調査に応じてくださったお客様には、国環研のエコバッグなどちょっとしたプレゼントを差し上げました。

展示期間中、様々な分野、出身国(米国、フランス、ロシア、中国、韓国、サウジアラビア等)の研究者や大勢の学生さん達が衛星観測センターの展示ブースを訪れました。特にGOSATに搭載された温室効果ガス観測センサ(フーリエ変換分光計)の仕様に質問が集まりました。また岩石や地殻変動など、温室効果ガス観測とは異なる分野を専門とする研究者の方々ともお話しすることが出来ました。さらに本大会のパブリックデーとなった土日には一般の方も大勢展示エリアに来られましたので、衛星を用いた地球観測と社会との関わりについてもご紹介しました。

今後も当センターの研究活動とその成果が将来の気候変動予測の高精度化や地球温暖化対策関連施策などに活用されるよう、今回のような広報活動を継続していきたいと考えています。

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写真2当センター展示ブースを訪問した高校生達にGOSATについて説明している様子

脚注

  • 大きさ20 × 30km程度の乾燥湖において、地表面反射率等の地上観測を衛星観測と同時刻に行い、衛星観測の精度を確認する実験(代替校正という)。

略語一覧

  • JpGU-AGU: Japan Geoscience Union (JpGU) とAmerican Geophysical Union (AGU) の共同大会
  • GOSAT: Greenhouse gases Observing SATllite (2009年1月23日打ち上げ成功)
  • GOSAT-2: Greenhouse gases Observing SATllite-2 (2018年度打ち上げ予定)

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