2016年2・3月号 [Vol.26 No.11] 通巻第303号 201602_303014
酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ 26 オゾン層(その2) —3R・低炭素社会検定より—
3R・低炭素社会検定は、持続可能な社会の実現のため、3Rや低炭素社会に関する知識を活かして、実践行動を行う人を育てることを目的としています。【3R・低炭素社会検定 低炭素社会分野試験問題解説集「はしがき」より】
検定試験問題から出題します。
問77モントリオール議定書の規制対象物質としてハイドロフルオロカーボン類(HFCs)・パーフルオロカーボン類(PFCs)が含まれなかった理由として、最も適切なものはどれか?
上級レベル
正答率 27%
- ①議定書ができた当初にオゾン層破壊物質であることが知られていなかったため
- ②他の条約の規制物質として取り扱われることが既に決まっていたため
- ③代替物質であったため、規制までの猶予期間を与えるため
- ④オゾン層破壊係数がゼロのため
- ヒント
- HFCs、PFCsはオゾン層を破壊する物質ではありません。
- 答えと解説
-
答え: ④
クロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)はモントリオール議定書で定められているオゾン層破壊物質です。温室効果ガスでもありますが、モントリオール議定書で定められているため、京都議定書からは除かれています。
一方、京都議定書で規制されているハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)といった物質は塩素原子を含まないため、オゾン層を破壊しません(オゾン層破壊係数がゼロ)。そのため、モントリオール議定書の規制対象物質には含まれていません。
- *正答率は第7回3R・低炭素社会検定受験者のものです
問78クロロフルオロカーボン(CFC)は「オゾン層破壊」と「温室効果」の両方の効果を持つ。その説明として最も不適切なものはどれか?
※問78については答えと解説に修正を要する箇所が見つかりましたので公開を停止しています。
目次:2016年2・3月号 [Vol.26 No.11] 通巻第303号
- 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告 [1] 政府代表団メンバーからの報告:「強制」から「誘導」へ〜各国目標をめぐるパリCOPの成果
- 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告 [2] COP21ジャパンパビリオンでのサイドイベント報告:ポストCOP21における国の気候変動緩和策の進捗を計測するための指標開発を目指した研究の概要紹介と成果報告
- 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)および京都議定書第11回締約国会合(CMP11)報告 [3] 低炭素社会国際研究ネットワーク(LCS-RNet)と低炭素アジア研究ネットワーク(LoCARNet)COP21でのサイドイベント報告
- 予測の予測:世界平均気温変化に関して、いつまでにどれだけ確実にわかるのか?
- 地球環境概観第5次報告書(GEO5)〜人間社会にとって深刻な影響をもたらす臨界閾値に近づきつつある地球〜
- インタビュー「地球温暖化の事典」に書けなかったこと [10] 植生と気候の相互作用の解明—陸面過程のより普遍的な理解を目指して—
- 陸域生態系を多角的に観る 日本学術会議公開シンポジウム「生態系計測・モニタリングの最前線」参加報告
- 衛星による地球観測の現状と今後の展望 —地球観測連携拠点(温暖化分野)平成27年度ワークショップ開催報告—
- 環境研究総合推進費の研究紹介 [17] 変動の激しい北半球中高緯度のオゾン層破壊を理解する 環境研究総合推進費2-1303「将来の温暖化条件下でのフロン対策強化によるオゾン層の脆弱性回避に関する研究」
- 西表島の児童・生徒の皆さんと一緒に気候変動を考える
- 平成27年度スーパーコンピュータ利用研究報告会を開催しました
- オフィス活動紹介:温室効果ガスインベントリオフィス(GIO) 温室効果ガスインベントリオフィス(GIO)が扱う統計データ類
- 【最近の研究成果】準2年周期振動と太陽11年周期が冬季北半球中高緯度の気候に及ぼす影響〜当該過程に対して対流圏の波の果たす役割の理解〜
- 酒井広平講師による「検定試験問題を解いてみよう」シリーズ [26] オゾン層(その2) —3R・低炭素社会検定より—
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